今回はネタバレ注意!!

前回の更新でお伝えしたように今回は『世界の中心で、愛をさけぶ』の原作とは違う点をご紹介したいと思います。
〜今回は登場人物や物語の重要なキーワードが出てくる可能性があります。観ているまたは観る予定が無い場合、そしてその辺を気をつけて新たな発見をしてみたいという方は構いませんが、素直に映画を観たい方はできるだけ見ないようにしてください〜

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それでは本題へ。
映画の『世界の中心で−』は原作同様、朔太郎と亜紀が出会いそして白血病で亜紀が無くなるまでを描いています。大筋である"亜紀が白血病に冒され、残り少ない命のなかで朔太郎がオーストラリアまで連れて行こうとする−"というところはもちろん描かれています。しかし、この映画は本当に"大筋"のみ守っていました。ある意味別物と思えるくらい様々な変更や追加が行われています。
たとえば朔太郎と亜紀の最初の出会いのシーン。
原作:同じ委員会に所属し、話すようになる。映画:朔太郎が原付に乗って出かけようとする(原作に原付はでてこない)ところに亜紀が現れる⇒見方によっては亜紀が前から朔太郎のことを気になっていた?という設定。
また登場人物も大きな変更が、朔太郎が大人になってオーストラリアに亜紀の灰を撒きに行くまでの登場人物が
原作:亜紀の父親と母親が同行する。映画:そもそも亜紀の両親とオーストラリアに行かない⇒律子(柴崎コウ)と二人で撒きに行く。亜紀の親は父親しか出てこない。しかも少しだけ。
そして学生時代に初恋の人の遺骨を取りに行かせる・オーストラリアに行くためのお金を借りるという重要なところで出てくる祖父も、
原作:祖父が朔太郎たちに遺骨を取りに行かせ、最後に旅費も出した。映画:祖父は現れない。代わりに写真屋の親父として山崎努が登場。映画では彼が結構でてくる。(大人になっても出てくる。だけど学生時代とほとんど見た目が変わってないw話し方が丸くなった程度)また、オーストラリアへの旅費もどこから捻出したのかほとんど不明。
あとCMでもちょくちょく出てくるテープを聴くシーン。
原作:そんなのありません。映画:これは朔太郎と亜紀との交換日記ならぬ『交換テープ』。映画の構成はこの日々交換されていたテープを中心に叫ばれるw 映画オリジナルだけにこのテープがものすごく重要で大部分を占めている。
上記について実は柴崎コウが子供の頃に着ていた服に入っていたテープの持ち主を帰すというストーリーが追加されています。(それを追っていくうちに、実はその相手は婚約者の大沢たかおだった)
この柴崎コウ扮する律子もこの物語ではテープと同様の重要な役割を持っています。

また、朔太郎と亜紀にもキャラクター?の変更があったよう。
原作:朔太郎は結構物知りで亜紀と語り合ったりする。愛を優先する方でもあった。亜紀も知的で特にアボリジニについて非常に興味を持つようになる。⇒これがオーストラリアに行くことに結びつく。愛については比較的悲観視するほうだった。(病気のせい?)
映画:朔太郎はいたって普通の高校生。そこまで頭がいいという設定ではない。愛については多少現実的。亜紀は原作同様知的。ただアボリジニについては少ししか触れておらず、『本当にアボリジニの生き方に共感してるのか?』と多少疑ってしまう。愛については『愛はずっと続くものならいいのに・・・』と夢見る傾向があった。

最後にオーストラリアのウルルへ向かうシーンでも。
原作:添乗員?が案内し、その途中でアボリジニ族の埋葬等の方法を説明する。目的地に無事到着する。映画:上記の通り大沢たかお柴崎コウの二人でオーストラリアへ。ヒッチハイクで車に乗り目的地まで送ってもらうはずが、途中で車が故障。それである程度二人で場所を決め、そこで灰を撒く。アボリジニ族の埋葬方法等はこのとき乗せてくれた人から教えてもらう。

と、まぁ、こんなところでしょうか。
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上記を見ていると『じゃあ結局面白くないの!?』とか『ケチつけてんの!?』と思うかもしれませんが、それは確実に否定します。今回はあくまで原作と映画の違いを示してそこを気をつけて観ると新たな発見があるかもという事を示したかっただけです (。・x・)ゝ

最後に・・・
この映画はきっと面白いと思うはずです!私も面白いと思いました。原作の大筋しか守っていないようで最初は戸惑うかもしれませんが、今回様々な変更やオリジナル要素の追加により新しい楽しさや感動が生まれたと思います。私も『このつくりならいいね!』と思いました。高校生同士の初々しい恋愛模様を描いたこの作品見てるだけでちょっと恥ずかしくなるかもしれませんが、懐かしさもこみ上げてきます。また、所々で笑いやスペシャルゲストが登場しているので、その辺を見るのもまた面白いです。

おそらくこの映画はロングラン確定でしょう。それだけ見る価値はありますね。
というわけで今週末は映画館へ急げヽ(´∀`)9 ビシ!!