第一回:BSEいわゆる狂牛病とは・・・

記念すべき第一回のテーマは『狂牛病』です!・・・ねっ?まじめでしょw それでは早速参ります。まず最初はコチラ。

・そもそも狂牛病とはどんな病気か?

よくテレビとかで見る"牛がまったく歩けなくなっている状態"の映像を見ますよね?あれが狂牛病です。正式名称は牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy)です。主に症状としては牛の脳の組織にスポンジ状の変化が起こり、起立不能などの症状が起こる中枢神経系の病気です。私も知らなかったんですが、狂牛病っていうのはTSE(伝達性海綿状脳症:Transmissible Spongiform Encephalopathy)という伝達因子(病気を伝えるもの)と関係する病気のひとつなんだそうです。なので牛の病気は狂牛病だけでなく、似たような病気は他にもいくつかあるそうです。で、このTSEの特徴としてはいくつかあるのですが一番怖いのが『伝達因子によるヒトや動物での特異的な免疫反応がない』ということなんです。これはつまり『免疫が病気を退治してくれない』ということなのです、ですからもし人がこの病気にかかると自らの免疫機能で治療することは不可能なのです。怖いですねΣヽ(゜Д゜; )ノ で、人に対する病気はどうなのかというと、次のコチラ。

・人に対して似たような病気があるのか?

はい、人間にも似たような病気があります。狂牛病と同じように脳がスポンジ状になる病気CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病:Creutzfeldt-Jakob disease)、致死性家族性不眠症vCJD(新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病:variant Creutzfeldt-Jakob disease)が報告されています。これらの原因としては『牛肉を食べたことによる感染(未確定)』と言われていて、1996年3月20日に英国の海綿状脳症諮問委員会(Spongiform Encephalopathy Advisory Committee(SEAC))は、10名のvCJD患者の環境を調べた結果、これらの患者は9名は過去10年間に牛肉を食べており、1名は91年以降、菜食主義者でした。
SEACは、狂牛病vCJDの間に直接的な科学的証拠はないようですが、他に可能性の高い選択肢もなく、最も適当な説明としては、患者の発生は1989年の特定の内臓食べたことに原因があるのではないか?と言っています。ちなみにこの『特定の内臓』というのは(牛の脳・脊髄・骨髄・腸、目、扁桃(牛タン)ほお肉(リンパ節・神経節)などです。つづいては良くある疑問を。

狂牛病に感染してても焼肉とかは焼いてるから大丈夫でしょ?

結論から申し上げます。狂牛病一般の加熱調理では狂牛病は防げません。なぜなら、この病気はウィルスによる病気ではなく、『プリオンという通常の細胞タンパクが異常化したもの』と言われています。もちろんまだこの説は確定ではないのですが、今一番有力とされています。また、この異常化したプリオン細菌やウィルスの感染に有効な薬剤であっても効果がないそうです。話しは戻りますが、もちろん加熱での不活性化は可能です。しかし、それはとても特殊な方法です。下記に示します。

異常プリオンの不活化方法

1.高圧蒸気滅菌、化学的方法(耐熱性のもの)

水酸化ナトリウム(1モル濃度121℃30分間)で処理後、水で洗浄し、通常滅 菌。
水酸化ナトリウム又は次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度2%)で1時間処理 後、121℃1時間の高圧蒸気滅菌、洗浄、通常滅菌。
水酸化ナトリウム又は次亜塩素酸ナトリウム溶液で1時間の処理後、水洗い、121℃又は134℃1時間高圧蒸気滅菌後、通常滅菌。
水酸化ナトリウム(大気圧下、10分間煮沸)処理後、洗浄、水洗い、通常滅菌。
次亜塩素酸ナトリウム(こちらを優先)又は水酸化ナトリウム(室温下1時間)処理後、洗浄、水洗い、通常滅菌。
・134℃、18分間の高圧蒸気滅菌(脳組織が表面に焦げ付いて完全には取り除くことができず、感染性が高い状態のもの)

2.化学的方法(非耐熱性のもの)

水酸化ナトリウム(2モル濃度)又は次亜塩素酸ナトリウム原液をかけて、1時間放置後、水洗い。

3.高圧蒸気殺菌、化学的方法(乾燥したもの)

・121℃1時間高圧蒸気滅菌(水酸化ナトリウム又は次亜塩素酸ナトリウムに抵抗性の小さい乾燥物)
・134℃、1時間の高圧蒸気滅菌(大きな乾燥したもの及びその他の大きさの水酸化ナトリウム又は次亜塩素酸ナトリウムに抵抗性のないもの)

いかがでしょうか?これらを見て一般の加熱処理では不可能だと言うことがわかりましたでしょうか?普通の加熱じゃ防ぐことができないから、狂牛病は恐れられているんですね。

・そんなこと言われたら心配です。今食べている牛肉は大丈夫なの?

ご安心ください。大丈夫です。国際獣疫事務局』(OIE)の基準では、筋肉は特定部位ではないとされており、牛肉の安全性には問題がないとされています。日本国内においては、食用として処理されるすべての牛について狂牛病検査を実施するとともに、と畜・解体時にすべての牛の特定部位の除去・焼却及びこれらにより食肉等が汚染されることのないよう衛生的な処理が義務づけられていますので、安心だと思われます。ただし、ひき肉や加工食品には牛の解体時にプリオンが付着する可能性があるため、その牛が狂牛病の場合感染する可能性があります。(日本は全頭検査を行っているのでその前に見つけるとは思いますが)

・結論!

今食べている牛肉は安全宣言ヽ(´ー`)ノ(ちょっと説明不足な感がありますが・・・)まぁ、あまり敏感にならずに食べたいときに食べるのがいいんでしょうかね(ノ ゜Д゜)ノ ==== ┻━━┻ナゲヤリー そうそう!あともう一つ補足が。先日『ニュースステーション』でアメリカの狂牛病について狂牛病をたまたま見つけたアメリカの牛家畜業者の方にインタビューを行った映像を放送していたんですが、なんとそこで衝撃の発言が。狂牛病の牛を処理した業者に、その牛はどうしたのかと聞いたら・・・『ミンチにして市場に送ったよ。今頃100箇所に分けられてハンバーガーにでもなってみんなに食べられているだろう。』ですって・・・なんてことをΣr(‘Д‘n)アメリカの狂牛病検査は結果が出るまで2週間もかかり、しかも結果がでるまで出荷してはいけないという決まりはないそうです。したがってこんな結果に。最後にこの方はこうおっしゃっていました。『政府は全頭検査をすべきだ。俺が処理した牛は元気に歩いていた!こんなものは食べさせてはいけない。特に子供たちには絶対にだ。』この一件の後、この方は解雇されてしまったようです。なんか『くさいものにフタ』みたいで嫌ですね。アメリカ政府の狂牛病に対する完全な対策を期待したいです。
今回の説明でいろいろな疑問点が出てきたかもしれませんが、それらの疑問は下記の参考サイトをご覧いただけると幸いです。また、この話題について扱える機会があればいいですね( ´ー`)フゥ

それでは明日の特集第二弾をお楽しみに!